社会貢献できるドライバーの仕事として、福祉タクシーが注目されるようになってきた。福祉タクシーの乗務員になれば、きっと介護職の人などと同じようにして乗客の手を取ってサービスを提供できると考えている人も少なくない。高齢者や障害者の支援ができる職種と捉えがちだが、詳細を知らないまま福祉タクシーの乗務員になってみるとギャップを感じるだろう。福祉タクシーは乗客を乗せて目的地まで送り届けることが業務であり、資格を持たない限りは利用者の手を取り支援できる仕事ではないのだ。こうなると、もっと直接的な支援をしていきたいと思っていたのにできないのが悩みになりかねないだろう。福祉タクシー乗務員は、乗客に触れてサービスをしてはならないことになっている。
実際には福祉タクシーの乗務員として乗客の手を取ったり、体を抱えたりしてサービスをしている人もいる。このような行為をするためには資格が必要になる。介護福祉士としての資格があれば問題ないが、もっと資格を得やすい初任者研修の修了でも十分だ。初任者研修はかなりの受講時間を要するのは確かではあるものの、介護をする上で欠かせない知識を付けることができる。高齢者や障害者に対して失礼なことをしてしまわないように注意を払えるようになるという点でも、メリットがある講習だ。ドライバーとして運転するだけでなく、高齢者や障害者に対して介助も行いたいという気持ちがあるなら、福祉タクシーの乗務員になってからでも遅くはないので初任者研修を受けるといいだろう。